リサーチレポート
リサーチレポートNo. 124 2022-03-30
医療情報のデジタル化における現状と課題
― 日本における経緯と国際比較 ―
・医療情報のデジタル化の流れは1990年代の電子カルテの誕生から加速している。
・2000年にIT基本戦略が発表され、現在のデジタル化の基本的なグランドデザインが記載されている。しかし、スケジュールは遅れがちである。
・その後も多くのプランが語られるが、実行されたもの、実行されていないものが混在している。
・電子カルテの普及率は病院で46.7%、診療所で41.6%と半分に満たない。
・病院の電子カルテシステムは周辺機器との接続が必要であること、参加人数が多くシステム構造が複雑なため、一部のベンダーに集約化されつつある。一方、診療所の電子カルテベンダーは極めて多い。
・データヘルス集中改革プラン、次世代医療基盤法によるデータ活用、電子カルテ情報等の標準化が進められている。
・国連による電子政府調査では、日本の電子政府達成度は世界各国で14位となっている。
・各国は行政の効率化、データ活用、医療福祉、徴税などのために、国民の個人識別ナンバーの普及を進めている。
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