ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 331 2015-01-26

第5回 日本の医療に関する意識調査

 

 超高齢社会の中、安心して医療を受けられ、健康で長寿を全うできる地域社会の構築が求められている。本調査は、医療の受け手である国民の意識やニーズを把握し、基礎資料を作成することを目的としている。調査の結果、以下の点が明らかになった。

1. 医療満足度と医師患者関係の全般的な向上
2. 最重点課題は長期入院できる施設の整備(56.4%)
3. 医療に関する不安に地域格差
4. 「医師の説明」が受けた医療の満足度に最も大きく影響
5. 高齢者も自身の治療方針への積極的な関与を希望
6. かかりつけ医など決まった医師の受診を最初に望む人は69.9%
7. 多くの国民がかかりつけ医に専門医への紹介、幅広い診療、健康管理などを希望
8. 高齢者はかかりつけ医に在宅医療や看取りを要望
9. 若い人へも含めて、かかりつけ医を探すための情報提供の必要性
10. 介護の場として自宅を望む人が47.0%、そのうち4割は主として外部の介護サービスを希望。

 医師患者関係のさらなる向上のための努力が望まれると同時に、今後の医療制度改革がその信頼関係を損なうことなく、さらに強化する方向で進められることが必要である。医師が患者に十分に説明を行うための医学教育の強化と、余裕のある医療現場の整備も求められている。また、国民のかかりつけ医に対するさまざまな期待に医療側が十分に応えていくこと、そして、若い人も含めてより多くの国民がかかりつけ医を持てるために、医師会や行政による積極的な情報提供や働きかけが重要である。 

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