ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 337 2015-04-17

医学生のキャリア意識に関する調査

 

  • 医学生たちの診療科の選択を含めた現時点でのキャリア意識の実態把握を目的とし、医学部医学科の学生を対象にアンケート調査を行った(n=1,309)。
  • 医学部での学習と将来のキャリアについては、大部分の医学生が肯定的に捉えている。気になる点としては、医学部における授業・実習の内容へ満足している割合が比較的低いことである。
  • 自分自身の視野・世界が狭いと感じている医学生の割合は、全体の3分の2弱、また、医学・医療系以外の友人・知人との交流や医学・医療系以外の読書の機会をそれなりに持っている医学生はともに約半数だった。視野・世界観の狭さを自覚している医学生は比較的多い。彼らの視野を広げる支援を行うことも、医学生教育における課題のひとつとなろう。
  • 診療科の選択について、「初めから決めている」と回答した医学生は全体の14.4%、将来医師となる医学生の約85%超は、医学教育の過程(含、初期臨床研修制度)で、自身が専門とする診療科を決めている。また、世間で深刻な不足が叫ばれている診療科(産科や小児科、救急科、麻酔科、そして外科全般)を志望する医学生の割合が、必ずしも比較的少数というわけではない。
  • 将来、所属大学(の医局)で働くことを積極的に考えている医学生の割合は全体の3分の1強にとどまり、消極的に考えている割合(47.0%)を大きく下回る。学位(医学博士)の習得については、積極的な割合が37.8%、どちらとも決めかねている割合が32.6%、消極的な割合が28.4%と3分されている。また、将来の留学願望は、積極的な回答の割合が5割を超えており、留学に消極的な回答の割合(23.8%)を大きく上回っている。
  • へき地・離島の医療に従事する意思について、「従事したい」と積極的な割合は5. 7%にとどまるが、「興味はある」(26.6%)、「期間限定で従事しても良い」(34. 6%)を加えると、3分の2を超える(66.9%)医学生がへき地・離島での医療従事に前向きである。

クロス集計表はこちらからダウンロードしてください。

2015.7.17 内容に一部誤りがありましたので、本体PDFを修正し差し替えました(p.16、p.19、p.33)。

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