ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 340 2016-04-14

わが国の大規模災害時における外国からの医療支援受入れに関する研究
– i JMAT体制の構築による 日本医師会と
各国医師会との相互承認協定の締結-

 

  • 今後起こり得るとされている首都直下地震や東南海・南海地震等、未曽有の大災害に備えるために、国内においてJMAT活動の更なる充実を図る必要があるが、災害の規模によっては外国からの支援を受入れざるを得ない場合も想定しておく必要がある。
  • 各国の医師会が主体となり、派遣する側の医師会と派遣を受入れる側の医師会が、医師や医療チームの派遣の体制について確認しあうべき内容を協定にまとめて締結することが重要である。
  • 派遣される医師の適正を担保するものとして、世界医師会「災害対策と医療に関するモンテヴィデオ宣言」に基づく「標準能力」を有していることやスフィア・プロジェクト「人道憲章と人道対応に関する最低基準」に示されている必須保健サービスの熟知が求めら れる。
  • 被災地域の負担軽減のため、派遣する国や地域の医師会は、派遣する医師の氏名、性別、資格、適正、及び身分に関する所見が記録された書面や電子媒体を作成し、これを通告に用いることが重要である。
  • 外国から派遣される基本的な医療・救護支援のチーム構成はJMATの一員として活動することが望ましいことから、このチーム構成をiJMATとする。
  • 他国や地域において大災害が起こった場合にも、被災地域の公衆衛生の速やかな回復のため、わが国は派遣する側の医療支援体制の構築を図る必要があることから、海外の医師会に対して協定の締結を推進していくことが望まれる。

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