ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 362 2016-05-02

地方創生にむけて医療・福祉による経済・雇用面での効果

 

  • 医療・福祉は、(特に地方の)経済成長や雇用拡大に寄与する側面もあるのでないかという仮説のもと、1 総務省「産業連関表」にもとづく経済および雇用誘発効果と、2 地域における医療・福祉就業者と医療提供体制(診療所の例)をまとめた。
  • 医療・福祉分野の経済波及効果は相対的に高く、特に医療の経済波及効果は建築、公共事業に近い水準で高く、ライフライン産業である電力よりも高い。
  • 医療・福祉は雇用誘発係数も高い。特に介護の雇用誘発係数は突出している。
  • 医療・福祉分野の就業者数は就業者総数の 1 割超を占めるに至っているが給与は伸び悩んでおり、全産業平均給与を押し下げ、これを踏まえて診療報酬・介護報酬が抑制され、さらに給与が伸びないという循環に陥っている。
  • 医療・福祉分野の就業者が 2 割程度を占める市町村もある。医療・福祉は地方の雇用の受け皿として大きな役割を果たしており、この分野での雇用改善・拡大は地方創生にもつながる。
  • しかし、身近な「かかりつけ医」がいる診療所が減少し、住みにくくなっている地域もある。
  • 医療・福祉は、今後国内需要が確実に見込める成長分野である。医療・福祉の活力を高めることで、地域の活性化にもつながるのではないか。

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