ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 381 2017-06-08

在宅医療の地域差について
-診療所調査結果(2016年11月実施)から-

 

  • 日本医師会は2016年11月に「かかりつけ医機能と在宅医療についての診療所調査」を実施した。本稿は、各地域で今後在宅医療を推進するための参考データを提供することを目的に、地域別に分析を行ったものである。
  • 地域別に傾向が見られたが、あくまで本調査の結果であり、各地域固有の事情があることから、現場の実態をそのまま表すものではない。
  • その上で示すと、東京は内科診療所が少なく、現在在宅医療を行っている診療所の割合は少ないが、在宅医療に新たに取り組みたいという診療所は多い、東北では全体的に在宅医療の負担感が強い、九州では介護施設の不足感は低いが、看護職員の確保が大変-といった傾向が見られた。
  • また、市部に比べて町村部では「24時間連絡を受けること」が大変であるという回答がかなり多い。近隣に診療所が少ないために連携が困難で、医師1人が背負っている可能性がある。「緊急時に入院できる病床の確保」が大変、「家族の介護力の確保」が重要という回答も多い。いわゆる老々介護や高齢者独居などで、受け皿の確保が不可欠になっているのではないかと推察される。

ダウンロード  (約 600 KB)