ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 403 2018-02-23

糖尿病診療の実態 -全国12自治体の国保データから

 

本研究は、全国12自治体における国民健康保険のレセプトデータを用いて、地域別、年齢階層別の視点から、糖尿病患者の患者割合、重症度、医療費、処方の違いを確認し、糖尿病診療の地域差の有無を示すことを目的として実施した。対象は、2型糖尿病患者の外来診療に関わるデータ過去3カ年分(2013年度から2015年度)である。

一般に、糖尿病は年齢との関連性が強いと考えられているが、その影響を取り除くと、自治体間で、受療行動にも診療にも相当の差があることが示唆された。糖尿病患者割合が同じでも医療費に違いがあり、糖尿病患者割合が高い自治体でも1人当たり医療費が低いという状況も浮かび上がった。一連の分析からは、受療率が高いから医療費が高いとは言えないことも示された。国が進める医療費の地域差の解消に当たってはついては、上記のような現状を踏まえて、データの慎重な解釈が必要と考える。今後は、本研究で得られたノウハウと知見をベースに対象を広げ、より包括的な分析を行う予定である。

*章立て、図表タイトル等一部変更しました。

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