ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 504 2026-09-17

ICTを利用した全国地域医療情報連携ネットワークの概況(2025年度版)

渡部愛

 

 

 ICTを利用した全国地域医療情報連携ネットワーク(以下、地連NW)についての調査を2012年度から継続的に実施している。本調査は2026年2月に実施し、276地域(有効回答率83.4%)の結果をまとめたものである。

 

ポイント

・地連NWの数が調査開始以降、初めて減少した。

・地域医療介護総合確保基金が原則、運用費用に使用できないことについて3割以上の地域で困っていた。

・全国で稼働している地連NWの平均運用年数は10.2年、1地連NWあたりの平均参加施設数は164施設であった。

・平均システム構築費用(累計)は2億3,584万円、2026年度運営予算額の平均は954万円であった。

・将来のシステム更改時の費用負担について36%の地域で未定であった。

・地連NWの最大の導入効果は「患者サービスが向上した」であった。

・検査・画像情報提供加算等の診療報酬の算定状況を半数以上の地連NW運営側で把握しておらず、運営側が医療機関等に具体的な診療報酬の説明を行っている割合は漸減傾向にあった。

・全国医療情報プラットフォーム創設により地連NWの継続を心配している地域が32%あり、実際に補助金縮小等の何らかの影響があった地域は9.2%であった。

・診療録(カルテ)およびその他レポート(画像・検査・手術・リハビリの記録等)は開示している医療機関が開示していない医療機関を上回った。

・地連NWで保有する情報の二次利用は74%の地域で行っていなかった。

・インシデント発生後の対策を実施している地域は45%であった。

・サイバーセキュリティ対策の月額負担は71%の地域で参加施設の負担が難しく、公的支援等が必要と回答した。

・AI(人工知能)を利用した取り組みを行っているまたは予定している地域は20%であった。

・国の進める全国医療情報プラットフォーム創設による標準型電子カルテ導入、HL7FHIR規格での情報交換、電子処方箋、PHRとの連携等は認知されているものの現場の対応は進んでおらず乖離が認められた。

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