ワーキングペーパー
ワーキングペーパーNo. 503 2026-04-27
児童生徒の心の健康に関する課題と
学校医の適切な介入のあり方に関する考察
~都道府県医師会・郡市区医師会への
アンケート調査結果を踏まえて~
ポイント
♦本報告書は、都道府県医師会および郡市区医師会を対象としたアンケー
ト調査に基づき、児童生徒の心の健康課題に対する関与状況と課題を整
理したものである。
♦児童生徒の心の問題が「増加している」との回答は都道府県医師会で9
割以上、郡市区医師会で8 割以上にのぼった。学校生活への影響として
は「不登校」が最も多く挙げられ、背景には発達障害・精神疾患等に加
え、家庭や学校環境など複合的要因が指摘された。
♦学校健診等の場面で心の問題に気づく、又は相談を受ける機会(介入の
端緒)は一定程度存在する一方で、その後の介入状況には幅がみられ、
端緒から介入への接続が十分とは言い難い状況が示された。
♦現在、心の問題について取り組みを行っている医師会は一部にとどまり、
専門医不足や具体的方法の不明確さが課題として挙げられた。他方、取
り組みを行っている医師会では、学校医による対応状況が相対的に把握
されている傾向がみられた。
♦この問題には、精神科専門医やスクールカウンセラー等を含む多職種チ
ームで取り組むことが望ましいとする回答が多かったが、望ましいチー
ム像に関する認識と実際の取り組み状況が明確に対応しているとは言
えなかった。
♦児童生徒の心の健康課題において、課題認識自体は共有されているもの
の、「端緒」「介入」「組織的把握」「多職種連携」を接続する仕組み
の整備が今後の検討課題であり、医師会には地域連携や学校医支援の役
割が期待される。
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