ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 412 2018-09-03

ICT を利用した全国地域医療情報連携ネットワークのケーススタディ
-効率的な導入・安定した運用に向けて-

渡部 愛

 

  • 全国のICTを利用した地域医療情報連携ネットワークから9つの事例を紹介
  • 9事例のシステム構築費用は、0円から最大55億円であった。内容や規模によって大きく異なり、継続するためにかかる運用費用も同様である
  • 地域医療連携システム構築ありきではなく、患者主体の地域医療情報連携ネットワークであるべきである
  • 毎月のランニングコストおよび概ね5年に一度のリプレイスの費用負担が大きな課題となっている
  • 導入時には初期に発生する構築費用のみに焦点を当てず、今後発生し続ける運用費用のことも念頭に置き、長期的な計画を立てるべきである
  • 地域に根付いた地域医療情報連携ネットワークを行っていくためには、行政、自治体、医師会、保険者を交えた取り組みが望ましい
  • メーカーとの契約においては丸投げ体質、メーカー主導の契約書になっていないか十分精査し、安易な契約を行うべきではない
  • 交付された補助金は、システム構築費用に使えるが運用費用に使えないケースが多く、安定した運用をしていくうえでの妨げとなっている
  • 現行の診療報酬のみでは不十分である、医療連携、多職種連携を行っている医療機関に手厚い診療報酬をつけるべきである
  • 地域医療情報連携ネットワークに参加する患者の同意取得方法は、同意書による取得であった
  • 日本医師会では、医療機関が安心・安全・安価に活用できる医療等分野専用ネットワークの構築を目指している

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