ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 486 2024-12-02

診療所における医療DXに係る調査報告書

江口 成美、出口 真弓

 

ポイント

診療所における医療DXに係る取組みや課題を把握するため、本年9月~10月、日本医師会会員の医師10,000名を対象にWeb調査を実施し、4,454名の回答を得た(有効回答率44.5%)。
マイナ保険証の利用率はレセプト件数ベースで10%未満が回答施設の約7割を占めた。電子処方箋の導入率も低迷していた。約9割の施設はICT人材が不足と回答しており、6割強の施設では医師自らシステム対応を行っていた。システムの年間費用も多額にのぼり、限られた補助金の中で重荷となっている。診療所は小規模な医療機関であることからシステム対応に対するさまざまな負担が大きく、国からの全面的な支援が必要とされていた。
医療DXはわが国の医療の向上に向けた重要な取り組みであり、患者へのメリットは大きい。関係者の理解を得ながら、丁寧に進めることが重要である。現場の医療機関の作業負担の軽減、補助金や診療報酬によるインセンティブ、そして効果的・効率的な情報提供が求められている。

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