ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 481 2024-05-07

医療費削減論はなぜ出てくるのか?

原 祐一

 

社会保障費削減論は頻繁に問題提起ならびに議論されており、以下の視点から議論する必要がある。

・将来推計の難しさ: 社会保障費用の将来推計は過去に何度も行われてきたが、概ね現状よりも過大な推計であることが多い。その要因として医学の進歩や社会状況の変化、経済成長率の予測の困難さが影響している。

・金額と対GDP比の視点: 単純に金額ベースで将来の予測をすると現実との乖離が生じることがある。そのため一時は対GDP比を主な指標として表記していたが、再び金額ベースによる推計に戻っている印象がある。

・医療費の伸びと国民所得: 現在では医療費の伸びは国民所得の伸びによって説明されることが多い。

・国民皆保険と価格決定: 先進国では医療サービスは市場で取引される一般消費財とは異なり、政府が価格決定している側面が大きい。

・診療報酬の要因: 診療報酬を上げる要因は、日本が経済成長をすること、医療団体の政治力の存在がある。

これらの観点を考慮しながら、社会保障費削減論に対する議論を展開していくことが重要である。

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