ワーキングペーパー
ワーキングペーパーNo. 437 2019-11-21
両立支援のための情報共有のあり方について
~ 治療と就労・教育の両立のための医師連携(第2報) ~
上家 和子、和田 勝行、野村 真美、井上 俊介、立石 清一郎、森 晃爾
- 治療と就労の両立支援における情報共有
- 平成30年度の診療報酬改定で、がんについては治療と仕事の両立支援に関する診療報酬として「療養・就労両立支援指導料」が新設されたが、算定例は多くはない。
- 心の健康問題については職場復帰支援の手引きにおいて産業医が主治医から情報や意見を収集する様式等が示されており、一定の実効性がある。
- 母性保護においては主治医が発行した母性健康管理指導事項連絡カードを本人が職場へ提出する手法が定着している。
- 身体疾病における医療と職場の情報共有の手段として、母性健康管理指導事項連絡カードを参考とした両立支援連絡カード(仮称)を考案した。
- 治療と教育の両立支援における情報共有
- 障がいを持つ子どもたちの教育は、学校教育法上の特別支援教育制度により学校側が主治医を含めた職種に意見を求める枠組みが用意されている。
- アレルギー疾患については、学校生活管理指導票を保護者から提供することを求めている。その他の疾病や医療的ケアについても学校生活管理指導票や健康調査票等として就学前に提出を求めることとされているが、内容は統一されてはいない。
- 児童福祉法による小児慢性特定疾病対策においては、医療や教育を含め情報の要は児童相談所と位置付けられている。どのように機能するかはこれからである。
- 要保護児童等については、児童福祉法により、情報収集の要は要対協であるが、その運営方針は地域によりさまざまとなっている。
- 成育基本法のもと、各法各施策間の連携を具体的に促進していく必要がある。
ダウンロード (約 2 MB)