ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 464 2022-03-24

医療関連データの国際比較
-OECD Health Statistics 2021およびOECDレポートより-

清水 麻生

 

  • 本稿はOECDが公表する保健医療に関する統計「OECD Health Statistics 2021」に基づき、加盟国の保健医療制度を踏まえながら、主要な保健医療統計を比較したものである。
  • 国によって医療制度は異なるため、単純にデータを比較することはできない。そこで、各国の保健医療制度や注意すべき点に触れながら、いくつかの項目のデータを提示している。
  • 本稿で取り上げた「OECD Health Statistics 2021」のデータでは、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年のデータが公表されている国があり、諸外国における感染症の流行の影響を概観できるものがある。
  • 2019年の日本の対GDP保健医療支出は11.0%(Estimated value:推計)で、OECD加盟38か国中5位である。2020年の対GDP保健医療支出の速報値または推計値が発表されているすべての国では、新型コロナウイルス感染症の影響によるGDPの減少と保健医療支出の増加により、対GDP保健医療支出が増加している。
  • OECD加盟国内では、外国で養成された医師や看護職員等の医療従事者の国際移動が行われている。新型コロナウイルス感染症流行下では、このような医療従事者の需要が高まっている。
  • 2020年の平均寿命が公開されているOECD加盟31か国中24か国の2020年の平均寿命は、新型コロナウイルス感染症の影響で死亡率が変化したことにより縮小している。一方で、平均寿命が横ばいまたは延伸しているのは、日本を含む7か国のみである。

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