ワーキングペーパー
ワーキングペーパーNo. 452 2021-03-24
健康リテラシー涵養のための試行 ~何を伝えるか、どのように伝えるか~
上家 和子、和田 勝行、野村 真美、出口 真弓、金子 至寿佳
- 人生100年時代にあって、健康寿命の延伸のためには、生活習慣病を未然に防ぎ、重症化を防止し、再発を予防していかなければならない。健康に資する生活習慣のための教育が重要である。臨床の現場で遭遇する患者への健康教育の難しさから、基礎教育段階での健康教育の実行可能性と効果を模索した。
- 以下の研修、授業を試行した。
- 課外授業
- 教諭等向け研修
- 小中学校における出前授業
- 試行した授業や研修について記録し、可及的に効果を分析した。
- 課題
- 健康増進法、食育基本法、がん対策基本法、脳卒中・循環器病対策基本法、成育基本法等には教育の重要性がそれぞれ謳われているが基本となる基礎教育、義務教育へのアプローチはこれからである。人生100年時代にあって、健康寿命の延伸のためには、医療界と教育界の連携が重要である。
- 学校医、地域基幹病院の専門医、保健機関関係者等により多くの試みがあるが、教育者と連携し、効果的な教育方法のもとでの展開が望まれる。また、法制度も十分に活用し、体系的な活動に向かうことが望まれる。
- 広く教育界において健康リテラシーの涵養が取り上げられるようにするために、医療界および医療行政が一致して次期学習指導要領への発信を行うことが急務である。
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