ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 104 2004-11-11

最高裁平成16年4月13日判決の問題点

 

 平成16年4月13日の最高裁判決(いわゆる広尾病院事件判決)は、医師法21条に対する最高裁としての判断を示したものである。最高裁は、「検案」の解釈を巡って、広尾病院一審判決まで消極説(検案の対象には自己が診察した患者であった者は含まれない)しかなかったとの認識を示した上、それを積極説に覆した。最高裁の判断の根拠となった参照文献なども明らかになってきたので、その問題点についても触れる。また、同条はかねてから憲法38条違反で適用違憲であるとの批判の強い条文であり、学説の動向についても解説した。今後は、医療事故原因究明の第三者機関の設置が強く望まれるとともにそれと同時に医師法21条は廃止すべきである。

ダウンロード  (約 1,011 KB)