ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 133 2006-09-05

日本の借金はなぜ増えたか

 

◆債務残高は、プライマリーバランスの赤字以上に増加している。過去の借金が雪だるま式に増えているからである。
◆日銀は、「量的緩和政策」を隠れ蓑に、法律では禁止されているにもかかわらず、銀行から国債を買い取った。しかし、銀行は貸出を増やすどころか、ふたたび国債を買いに走った。それをまた日銀が引き上げるという、蛸が足を食う構図があった。この結果、増加した国債は、公共事業が消費した。すでに少子高齢化が現実のものになりつつあった1987年、国は1,000兆円の公共投資バラマキ行政を計画した。
◆一方、政府は、借金(政府短期証券)をしてまで、資金を調達し、ドル買い介入を行っているが、その結果たまった外貨で米国債を購入し、米国経常赤字の穴埋めをしてきた。
◆第一に、現在の借金が公共事業費によるものであるとの認識を確かにし、その尻拭いをすべきである。第二に米国経済の下支えをしてきた金融政策を厳しく見直すべきある。そして当然、これらのことなしに、国民に借金のツケを回すべきではない。

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