ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 131 2006-09-13

医師会病院等における建設セカンドオピニオンに求められる主要課題への対応のあり方
─主要課題別ケーススタディによる検討─

 

  本研究は、平成16年度(2004年度)の調査研究「民間の医師会病院・介護施設等の建設コスト削減等のための『建設セカンドオピニオン』のあり方」(日医総研報告書第74 号)より導かれた、主要課題をさらに検討するため、平成17年度(2005年度)において、「医師会病院等の建設セカンドオピニオンの主要課題に関する調査研究」としてケーススタディを行ったものです。
 平成16年度の研究は、民間の医師会病院・介護施設等での、建設コスト削減等のための「建設セカンドオピニオン」の有効性の確認とその方法論の確立に向けて、実際に設計・発注段階にある事例を取り上げ、「建設セカンドオピニオン」の作業をとおして、その有効性の確認と方法論の確立に寄与することを目的として行いました。このケーススタディによって、医師会病院等民間施設の中でもやや公的性格をもつ医療・介護施設における、建設費のコスト削減を中心とした「建設セカンドオピニオン」の有効性は、一定程度、確認できたのではないかと考えています。しかし、建設セカンドオピニオンの課題として、「出来るだけ基本計画・基本設計段階での検討が行われること」や、「建築の質を確保するための建設段階(建築現場)での検討」といったことが指摘されました。
 また、最近、偽りの構造設計を基にしたマンション建設が行われるという事件が発生し、医療施設においても設計から現場での施工まで、安全な建物の建設に対し、医師会会員の関心が非常に高くなっていると思われます。
 このため本研究は、平成16年度の調査研究で指摘された課題および安全な建物づくりという視点からケーススタディを行い、各事例における建設セカンドオピニオンの対応方法を整理・分析することによって、主要課題等への対応のあり方を明らかにすることを目的に実施したものです。

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