ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 135 2006-10-12

国民医療費・介護費の現状分析と国民医療費の将来推計(2004年度版)

 

◆2004年度の国民医療費は32.1兆円である。増加幅は、近年着実に小さくなりつつあり、増加額分についてもその過半は薬局調剤医療費によるものである。
◆一般診療費に占める生活習慣病医療費の比率は過去10年間大きく変わっていない。ただし2004年度には、それまで増加傾向にあった悪性新生物の医療費が減り、逆に減少傾向にあった脳血管疾患の医療費が減った。
◆公費負担医療は、2004年度には国民医療費の5.8%に達しており、かつ増加がつづいている。
◆介護費は2004年度には6.0兆円に達した。特に民間企業も多く参入している福祉系介護サービスの伸びが目立つ。
◆国民医療費に占める事業主負担の比率は1995年度には24.5%(約4分の1)であったが、2004年度には20.6%(約5分の1)となった。
◆厚労省は、制度改正がなければ医療費の自然増は年3〜4%であるという見方をしている。しかし直近5年間の医療費の伸びは、診療報酬マイナス改定のあった年を除いても年2%台といったところである。厚生労働省は、最近の傾向も踏まえて再推計を行うべきである。

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