ワーキングペーパー
ワーキングペーパーNo. 143 2007-06-29
女性医師を中心とした産婦人科医の就労状況についての調査報告
日本産科婦人科学会、江口 成美、野村 真美、佐藤 和孝、出口 真弓、澤 倫太郎
産婦人科女性医師が分娩取り扱いから離脱し、産科医不足につながっているとの懸念がある。勤務年数2年〜16年の産婦人科医のうち、男性医師は約83%が分娩を取り扱っていたが、女性医師は約66%にとどまり、経験年数9年目から13年目にかけて分娩取り扱いの割合が落ち込む傾向がみられた。また、子どもがいない女性医師の約77%は分娩を取り扱っているが、子どもがいる女性医師の分娩取り扱い率は半数を下回り、離脱に最も影響している要因は子どもの有無であることが判明した。今後は、複数主治医制やフレックスタイム制などの柔軟な勤務体制の導入を検討し、仕事と育児を両立して働き続けることが可能な支援体制の整備が必要と思われる。
(本共同研究は、日本産科婦人科学会・女性医師の継続的就労支援のための委員会が産婦人科医の勤務状況アンケート調査を実施し、分析を日医総研で行ったものである)
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