ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 153 2007-11-27

緊急レセプト調査結果報告(佐賀県版)
2005 年4 月から2007 年3 月まで

 

◆ 2005 年4 月から2007 年3 月までの24 か月分の診療報酬請求状況(総点数・総件数・総日数)から佐賀県下の病院、診療所それぞれの主要3 要素および主要3 指標の2006 年度の対前年度伸び率の分析を行った。

◆ 病院総点数の対前年度伸び率は、入院(▲1.03%)、入院外(▲0.51%)ともにマイナスであり、その要因は、一般病院の総点数の減少であった。療養病床のみの病院の入院では、療養病床点数改定の影響を受け、1 日当たり点数が▲6.37%のマイナスであった。

◆ 診療所総点数の対前年度伸び率についても、入院(▲1.31%)、入院外(▲0.89%)ともにマイナスであった。入院総点数の減少の要因は、病院と同様に、療養病床点数改定の影響による1 日当たり点数の抑制の結果、入院患者数が減少したためである。入院外総点数の減少の要因は、1件当たり日数の減少に歯止めがかかっていないためである。

◆ 本調査結果と、厚生労働省の全数調査である「概算医療費データベース」より集計された「平成18 年度医療費の動向」による全国平均との比較を行ったところ、診療所入院総点数以外はいずれも全国平均より低い結果であった。これ以上のマイナス改定が続けば、医療経営へのしわ寄せから地域医療の崩壊を招くことが懸念される。

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