ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 156 2008-01-10

診療所開設者の年収に関する調査・分析(2006 年分)
−日本医師会 診療所に関する緊急調査−

 

◆ 個人開業医の手取り年収を調査した結果は、平均1,067 万円、最も高い55〜59歳でも1,469 万円であった。また、全体の57.7%が手取り年収は1,000 万円以下であり、一方、2,000 万円を超える人は13.8%にとどまっていた。

◆ 中医協の医療経済実態調査による個人立診療所の1 ケ月の収支差額を12 倍し、それを単純に給与所得者と比較することがしばしば行なわれる。しかし、そのような比較は、極めて不適切であり、大きな誤解を招いている。

◆ 個人開業医の手取り年収を勤務医師と比較すると、45〜49 歳で56 万円高く1.05 倍、50〜54 歳で216 万円高く1.2 倍、55〜59 歳で264 万円高く1.2 倍であった。

◆ 個人開業医の地域における社会的役割や、経営責任をはじめとする事業者としての様々なリスクを考慮すれば、個人開業医の所得が不相当に高いといった評価(ないしそのような論調)は適切ではないと言える。開業医の役割とその報酬について、冷静な評価に基づく、適切な財源配分が期待される。

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