ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 162 2008-05-14

国家財政の分析(2)−特別会計の現状分析−

 

  • 2006年度決算における国の一般会計歳出は81兆円であったが、特別会計と連結すると、国全体では一般会計の3倍の約250兆円の歳出規模がある。
  • 2006年度決算では、特別会計の剰余金は51.0兆円に上った。決算で剰余金が出そうでも予算は予算でとるので、剰余金は年々増加している。
  • 剰余金51.0兆円のうち、当該特別会計内で翌年度に繰り越されるものが41.5兆円である。積立金に「埋蔵」されるまでもなく、特別会計内で使い切られることになる。
  • 剰余金のうち7.4兆円が積立金に回り、特別会計の積立金は203.8兆円になった。年金積立金138.9兆円は国民への負債であるとして除いても、積立金は64.9兆円ある。
  • 上記に示す翌年度への繰越金41.5兆円と積立金64.9兆円、計106.5兆円は2006年度末において緊急の使途を持たない。
  • 特別会計の連結貸借対照表を作成してみると、正味財産は76.5兆円ある(この中に、上記の積立金が含まれる)。財投改革の影響を除けば、剰余金や積立金が拡大しているので、特別会計の資産、資本は増加している。
  • 一般会計についても言えることであるが、決算を重視し、剰余金が過大に出ない仕組みにすべきである。特別会計において剰余金が出た場合には、一般会計への繰り入れをさらに拡大すべきである。

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