ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 170 2008-08-28

2008年度(4〜6月分)緊急レセプト調査

 

  • 厚生労働省は制度改正や診療報酬改定がなければ医療費は3〜4%伸びると主張してきた。そうであれば改定率▲0.82%の2008年度も医療費(総点数×10円)は2%以上伸びるはずである。しかし本調査結果では、総点数の前年同期比は▲0.31%であった。
  • 1件当たり点数の前年同期比は、診療所▲1.54%、病院+1.09%であった。 2008年度改定では、診療所から病院へ医療費ベースで+0.2%相当の財政支援が 行なわれた。そこから見ると、非常に大きい乖離であり、診療所に厳しい改定結果となった。
  • 外来管理加算は、その意義付けの見直しが行なわれ、算定回数の前年同期比は診療所▲26.38%、病院▲27.99%であった。また診療所では後期高齢者の外来管理加算の引き下げも行なわれ、診療所における影響額はあわせて▲805億円と推計された。中医協では、改定の影響額を外来管理加算の見直しとデジタル管理加算の廃止あわせて診療所で▲200億円強と見込んでいたが、それ以上の減額であった。
  • 後期高齢者は、総件数、総日数ともに前年同期比マイナスであった。後期高齢者医療制度が、患者一部負担が増えるかのようなニュアンスで伝わったことも一因で、受診抑制が起きているのではないかと懸念される。
  • 机上で推計された改定影響額と実態との乖離が大きかったものについては、何らかの手当てが必要である。

※下記の「ダウンロード」のPDFを分割したファイル:本文集計表調査票

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