ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 171 2008-09-03

二次医療圏別に見た医師の偏在と不足

 

  • 人口1,000人当たり医師数は、二次医療圏別に見ると17倍の格差があった。
  • 人口当たり医師数は、必ずしも都市部で多いわけではなく、特に大学医学部のある医療圏で多く計算されやすい。
  • 人口当たり医師数は、分母の人口減少が進んでいる地域でも多く計算されやすく、この指標だけでは地方では医師不足ではないという誤解を生じかねない。そこで、100km2当たり医師数でも見てみたが、二次医療圏358のうち、10km四方で医師数が10人に満たない医療圏が46医療圏(12.8%)あった。
  • 人口当たり、面積当たりの医師数には、医療機関へのアクセス時間の概念が含まれていない。アクセス時間については、地域で実態を調査するしかなく、中央の机上で、適正な医師数を決めるわけにはいかない。
  • 小児人口1,000人当たり小児科医師数、女性20〜44歳人口当たり産婦人科医師数は、分母である小児人口、女性20〜44歳人口が少ない二次医療圏で高く計算されやすい。しかし、いくら分母が少なくても、二次医療圏に小児科、あるいは産婦人科の医師が1人という場合には不安が大きいと考える。小児科、産婦人科、さらに人口減少地域においては、医師の最低限の絶対数の確保も必要である。

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