ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 172 2008-09-11

医療・介護の経済波及効果について

 

  • 医療、介護の総合粗付加価値係数は、公共事業やライフライン産業である電力・ガス・熱供給、さらにはどの製造業よりも高い。医療や介護は、多くの産業に比べて雇用を創出し、消費を喚起する産業である。
  • 生産波及についても、医療の生産波及の大きさは、サービス業の中でもっとも高く、ライフライン産業である電力・ガス・熱供給も上回っている。
  • 2000年の医療の従業者数は295万人であったが、全産業での従業者誘発数は推計689万人であった。医療はその周辺産業において、実に400万人近く(689万人−295万人)の従業者を支えていることになる。
  • 介護は、2000年に介護保険が施行されたばかりであるが、すでに2006年現在 193万人の従業者数を誘発していると推計される。
  • GDPに占める医療の粗付加価値誘発額の比率も高まっており、医療は産業として、ますます重要な位置づけを果たしつつある。これについては、医療費がGDP の伸びを上回って増加しているからだとの指摘もあるかと思うが、雇用、消費面で他の産業に与える影響の大きさを重視したい。

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