ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 165 2008-12-04

医師会館の建物における老朽化とその対応に関する実態把握分析
ー医師会館の建物老朽度についての評価や老朽化への対応のための研究ー

 

都道府県医師会及び郡市区医師会の医師会館においては、建設から30年以上経って老朽化した建物が多いと思われる。これら老朽化した施設は、改修や建替え等の対応が求められるが、各医師会においてその対応方法や建替え・改修の判断基準が明らかになっていない場合が多い。  このため、全国の都道府県医師会及び郡市区医師会を対象としたアンケート調査を行い、医師会館の老朽化の実態把握や老朽化への対応の課題を抽出した。  調査の結果、都道府県医師会館で、耐震上問題があると言われている昭和57年以前(「新耐震設計法」導入以前)に、竣工した建物は63%にものぼっている。一方、郡市区医師会館でも、50%にのぼる。また、通常建築後10〜15年を経過すると、建設時の性能を確保するための修繕費がかさんでくる。都道府県医師会館・郡市区医師会館とも建築後15年を越えた会館が約3/4を占め、それらの施設については、長期修繕計画の策定が必要となっている。  また、都道府県医師会館では、会館管理者の59% もが老朽化したと判断している。一方、郡市区医師会館においても、41% が老朽化したと判断している。都道府県医師会館で老朽化したと感じる理由としては、第一・二・三位に「(建物の)年数が経過」、「耐震性の不安」、「業者からの老朽化の指摘」が挙げられ、これに次いで「事務スペースが手狭」、「設備面での老朽化」、「雨漏り」といった理由が挙げられていた。  今後専門家による老朽度の評価や、建物の改修や建替え等の対応方策を助言する体制づくり等が必要と考えられる。

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