ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 181 2009-01-21

外来管理加算に関するアンケート調査 −2008年4月改定の影響−

 

  • 2008年4月の診療報酬改定で、外来管理加算は、算定要件にいわゆる「5分要件」が追加され、かつ後期高齢者の点数について病院の点数を引き上げ、診療所の点数を引き下げて、点数が統一された。
  • 外来管理加算の算定要件および点数の見直しによる診療所への影響額は、当初、年間▲240億円と見積もられていた。しかし、日本医師会が2008年4〜6月のレセプトを対象に行った調査からは、影響額は▲805億円に上ると推計された。そこで、外来管理加算の見直しが医療現場に与えた影響を把握するため、改めて実態調査を行った。
  • 厚生労働省は、診療報酬改定の議論の過程で、いわゆる「5分要件」の導入により影響を受ける医療機関は1割であるとも受け取れる資料を示していたが、今回の調査から5割近くの医療機関に影響が出ていることが明らかになった。
  • 「5分要件」の導入により、時間の計測が診察上非常に負担になっている医療機関が約3割、診察が長引くことがある医療機関が4割あった。
  • 今回の調査から推計される診療所への影響額は▲748億円であった。
  • 現在の算定要件を不適切と考えており、その理由に「計画的な医学管理を時間で判断していること」を挙げた医療機関が6割超あった。
  • 以上のように、外来管理加算の見直しは、診察にも、経営にも当初見込みをはるかに上回る負の影響を与えたことが判明した。

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