ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 183 2009-02-13

「在宅医療の提供と連携に関する実態調査」在宅療養支援診療所調査

 

 全国の在宅療養支援診療所(以後、届出診療所)の医師を対象に運営体制や連携などの現状や、今後の方向性等や課題を把握するため、アンケート調査を実施した。
 72.4%の届出診療所で在宅担当医師は一人体制であり、73.5%の届出診療所は医師一人が週7日担当していた。病院や看護ステーションとの連携は、約9割の届出診療所がうまくいっていると感じていたが、診療所との連携がうまくいっていると感じている届出診療所は7割弱であった。また、日常的な診療や緊急時の連携と比べ、カンファレンスを通じた連携は全般的に困難な様子が見られた。地域で在宅医療進展のために必要とされている最大の課題は「緊急時の病床確保」であった。今後の方向性として、在宅医療を減らすと回答した届出診療所は約6%に過ぎず、大半は活動を継続あるいは増やす意向であった。
 在宅医療推進のため、様々な関係機関を繋ぐ連携の仕組みの整備が急がれるが、個々の努力だけでは連携関係の構築には限界があり、地域医師会等が中心となって24時間体制を支える仕組みを考えていくなどの具体的な取り組みが望まれる。

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