ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 182 2009-02-17

特別会計のいま −2007 年度決算分析−

 

  • 特別会計の積立金は、2007 年度末で204.9 兆円であり、このうち年金積立金が136.1 兆円、年金以外の積立金が68.9 兆円ある。2006 年度から2007 年度にかけて、年金以外の積立金は4.7 兆円増加した。
  • 特別会計には積立金以外の資産もあり、2007 年度末の正味財産は100.8兆円(年金積立金は負債に計上)である。
  • 2008 年度・2009 年度には積立金等から約20 兆円が、一般会計に繰り入れられたり、国債償還に充てられたりする。それでも、2009 年度末の積立金は年金積立金を除いて54 兆円以上残る見通しである。
  • 特別会計では、2007 年度決算で42.6 兆円の剰余金が出ている。例年、予算をはるかに上回る剰余金が出ているが、剰余金が出つづける限り、積立金はふたたび増加する。
  • 2007 年度決算では、剰余金42.6 兆円のうち、6.8 兆円が積立金に積み立てられ、33.6 兆円が会計内で翌年度に繰り越された。毎年の決算では、予算を大きく上回る剰余金が出ており、剰余金が既得権益化し、無駄な事業を生み出しているおそれもある。
  • 原則として、剰余金は一般会計に戻すか、国債償還財源に充てる仕組みにすべきである。その場合、剰余金を出さないよう予算を消化しかねないので、特に決算における歳出の内容、歳出の必要性についての議論に値する情報公開と説明が必要である。

ダウンロード  (約 479 KB)