ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 193 2009-06-18

臨床検査部門における特定健診基本健診項目の基準値の実態

 

  • 2008年4月より、特定健康診査・特定保健指導制度が開始されたが、特定健診を実施する健診機関や臨床検査部門、更には、地域医師会等において、疾患選別の指標となる検査基準値の取扱いについて、メタボリック・シンドローム判定や保健指導判定値が加わったことにより混乱している。
  • HDLコレステロールの基準値では、下限値40mg/dL、上限値なしが全体の18.2%と最も多かった。基準値の分布をみると、下限値では保健指導判定値を境界として、男性が低値、女性が高値であった。約半数の施設が基準値を男女別に設定しており、保健指導判定値も、男女別に設定すべきである。
  • LDLコレステロールの基準値では、下限値なし、上限値139mg/dLが7.4%、下限値なし、上限値140mg/dLが6.9%と2,3番目に多い結果であった。この検査項目には、Friedewaldの式(F式)により算出する測定法(計算法)があるが、検査方法として、そのコードが準備されておらず、その他か未入力としか回答できない問題がある。
  • 空腹時血糖の基準値では、下限値70mg/dL、上限値109mg/dLが全体の29.5%、次いで、下限値70mg/dL、上限値110mg/dLが26.8%であった。約3割の施設で、メタボリック・シンドローム判定基準である110mg/dLを基準値としている。

ダウンロード  (約 2 MB)