ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 195 2009-06-19

医療機関の安定的・持続的存続のための施設整備資金調達に関する研究
−新たな存続基盤として35 年長期・固定金利・
低利の公的融資制度構築を−

 

  • 平成20 年度サブプライム問題の影響が顕在化して、本研究が平成19 年度の当初設定した、ファンド設立によって医療を投機の対象にしようとする短期的問題への対応は、急を要する局面ではなくなった。(第2 章参照)しかし民間医療機関が安定的・持続的に存続するための、設備投資資金等の調達ニーズに対応した長期融資環境は、依然整備されていない問題がある。
  • すなわち、民間医療機関においては、快適な療養環境が求められる中、その存続のため施設の老朽化・耐震性強化・バリアフリー化・地球温暖化への対応が必要とされ、これら建設投資のための資金調達が求められている状況にある。(第7章参照)
  • 現状における病院等建築資金の調達は、福祉医療機構からの融資が仮にあったとしても、資金の一部を短期融資により調達している。このため、金融情勢によっては貸し渋り・貸し剥がしの対象になりやすく、民間医療機関の経営は不安定な状況にある。(第6 章1参照)そして、例えば病院の平均的医業経営指標による売上、利益、減価償却及び病床当りの建築・設備費から、必要とされる借入れ返済年数を試算すると、30 年以上の長期かつ固定金利、低利融資の仕組みが、安定的かつ持続的経営のために大きく求められるものである。(第6 章4 参照)そして、こうしたニーズは本研究において行ったアンケート実態調査においても明らかになった。

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