ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 208 2009-12-16

平成20年度における特定健診等の実施状況と
平成21年度の特定健診委託契約に関する考察
−特定健診・特定保健指導等の実施状況に関する調査−

 

  • 平成20年度から施行された、特定健診・特定保健指導の制度では、保険者が広く健診等実施機関と委託契約を締結し、市町村国保の加入者や被用者保険の被保険者・被扶養者の利便性を考慮した上で、健診の受診を促すことから運用が開始されている。しかし、制度開始後2年が経つ現在においても制度の周知不足や健診等の実施率の低迷等、様々な課題の解決には至っていない。
  • 平成20年度の実施状況のうち、特定健診の基本健診以外に実施が必要とされた上乗せ健診では、市町村の衛生部門と契約を締結した郡市区医師会は32.2%に上り、地域住民に対する保健サービスに格差を生じさせないためにも、血清クレアチニンや尿酸等の健診項目の採用が求められている。また、特定健診対象者の利便性については、基本健診で「自己負担なし」としている市町村と上乗せ健診の契約を締結している郡市区医師会が多い(70.8%)ことや受診率が比較的高い(31.8%:全数平均では28.3%)ことを考慮する必要があり、今後、地域保健事業と職域保健事業の公平性と充実が求められる。
  • 平成21年度に郡市区医師会と市町村国保が締結した契約内容の調査では、国が示した「標準的な契約書の例」にある各条項のうち、独自の条文により締結しているものも少なくない。「第2条 委託契約」では67.5%、「第9条 再委託の禁止」では56.7%の郡市区医師会が独自の条文による契約を締結している。

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