ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 214 2010-05-18

公的医療保険の財源について

 

  • 国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者の増加、被用者保険の標準報酬月額の伸び悩み等によって、国民医療費に占める事業主保険料の割合が相対的に低下している。
  • 健保組合では、平均的には保険料率を引き上げているが、きわめて保険料率の低い組合や、事業主が多くの負担をしている組合もある。保険者間のさらなる財政調整を検討すべきである。
  • 国民健康保険では保険料の賦課限度額、被用者保険では標準報酬月額に上限があり、高所得者が優遇されている。国民健康保険では2010年度に賦課限度額が引き上げられたが、保険料は所得や年収に比例させ公平に負担すべきである。
  • 消費税については、年金、医療、介護にどう充当するのかという点をあらためて議論すべきである。このままでは仮に消費税率が引き上げられても、年金に優先的に充当されることになりかねない。現政権は消費税率を4年間引き上げない方針を示している。この期間を活用して、国民に情報を開示し、国民の合意形成を図ることが望まれる。

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