ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 218 2010-08-26

日本医師会「平成22年度レセプト調査」(1)
−総点数・総件数・総日数等の動向−

 

  • 総点数(入院+入院外)の前年同期比は+2.64%であり、医科本体診療報酬改定率+1.74%をやや上回る程度であった。厚生労働省はこれまで、診療報酬改定の影響がなければ医療費は年3%程度伸びると説明してきたが、そのような自然増に相当するものは見られなかった。
  • 入院外総点数の前年同期比は+0.73%であり、入院外の診療報酬改定率+0.31%をやや上回った。しかし診療所の前年同期比は+0.19%と伸びは小さく、病院は+2.36%と堅調な伸びを示した。また、入院外1日当たり点数の前年同期比は、診療所では▲0.26%、病院では+4.46%と対照的であり、入院外の診療報酬改定財源は、病院に集中したものと推察される。
  • 診療所では、小児科、泌尿器科、人工透析を行なっている診療所を除く診療科で、1件当たり日数が減少していた。入院外では、長期処方等により1か月当たりの通院回数が減少しているのではないかと推察される。
  • 病床規模別の1日当たり点数(入院・入院外)の前年同期比は、20〜99床で+4.39%、100〜299床で+3.36%、300〜499床で+8.80%であり、300〜499床がもっとも高かった。
  • 入院基本料別の入院1日当たり点数の前年同期比は、「7対1」を算定している病院で+6.01%であり、もっとも高かった。「7対1」の病院では、診療報酬改定で、入院早期の加算等を評価した成果が出ているものと推察される。
  • DPC病院では、入院1件当たり日数の前年同期比が▲0.17%であり、平均在院日数がやや短くなっている可能性がある。
  • ※集計表を別冊としています。

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