ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 220 2010-08-26

日本医師会「平成22年度レセプト調査」(3)
−平成22年度改定で廃止された後期高齢者診療料に関するアンケート調査−

 

  • 2008年度に、後期高齢者医療制度がスタートした。また2008年度の診療報酬改定で、算定できる医療機関を1箇所に限定し、医学管理や検査、処置などの費用を包括した後期高齢者診療料が新設された。
  • 2009年9月、与党三党において、後期高齢者医療制度の廃止が合意され、これにともない、2010年度の診療報酬改定で、後期高齢者診療料が廃止された。
  • 本調査によれば、2008〜2009年度に後期高齢者診療料を算定した診療所は 5.0%に止まった。また届出をしたが算定しなかった診療所が4.7%、届出をしていない診療所が 89.4%であった。
  • 後期高齢者診療料を算定した診療所であっても、その半数近く(46.4%)は後期高齢者診療料の廃止に賛成であり、復活を求めている診療所は 16.4%であった。
  • 後期高齢者診療料の届出をしたが算定をしなかった診療所にその理由を質問したところ、患者に説明しづらい、包括払いに反対などの回答も少なくなかった。主治医をほぼ限定することや、包括払いなど、後期高齢者診療料の内容そのものにも問題があったことが示されている。
  • 今後、ふたたび登録医制や外来包括化などが浮上し、診療報酬改定という限られた時間の中で、拙速に決定されるおそれは否定できない。厚生労働省は後期高齢者診療料の総括をきちんと行なうべきである。

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