ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 228 2011-02-22

米国の政権交代後の対日通商外交政策とわが国の医療に及ぼす影響

 

  • 医療分野における米国政府の日本に対する市場開放圧力は、2009年の政権交代以降も以前と変わらないか、それ以上に強くなっている。日米経済対話の大枠は変わっておらず、2007〜2010年の『外国貿易障壁報告書』において、医療に関連する米国政府の対日要求は、年を経るごとに、より広範に、より詳細になっている。
  • 政権交代のあった2009年を境に、米国政府は、それまでの医薬品・医療機器分野における規制改革要求と保険分野および医療サービス分野における参入障壁撤廃要求に加え、新たに、医療IT(Health IT)分野の規制改革要求を取り上げるようになった。
  • 米国政府は、日本の医療サービス本体に外国資本を参入させるよう継続的に要求している。日本政府に対し、外資への同分野の市場開放のファースト・ステップとして、営利法人が営利病院を運営し、すべての医療サービスを提供できるようにする機会(経済特区を含む)を開くよう、政権交代以前から現在まで、継続して要求している。
  • わが国の医療制度を支えるヒト・モノ・カネ・情報を外国資本にさらに開くことが何を意味するのか。国民皆保険の成立から半世紀を迎える現在、私たち日本人は真剣に考える必要がある。

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