ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 232 2011-07-15

地域における在宅医療の進展状況に関する調査
-「在宅医療の進展状況に関する調査(郡市区医師会調査)」の報告-

 

  • 全国の郡市区医師会における在宅医療の整備体制の進展等の現状を把握するため、全国920郡市区医師会のうち、大学・職域・その他の医師会等を除いた全国の818郡市区医師会を対象としたアンケート調査を実施した。調査項目は、2010年10月現在における、「医師会基本情報(所在地、管下の主たる市町村、会員医療機関数、管下の施設状況など、24時間の在宅医療の運営形態の現状と理想)」「在宅医療に係る基盤の進展状況」「在宅医療の実施状況と特に力を入れている在宅医療に関する事業」である。
  • 郡市区医師会管下における地域の在宅医療基盤の進展状況は、「訪問看護ステーションの充足」で進んでいる割合が高かった。「ほとんど進んでいない」の占める割合が最も高いのは、「24時間体制の在宅医療機関同士のネットワーク」であり、46.2%を占めていた。
  • 現在実施している在宅医療に関する事業では、「在宅かかりつけ医と訪問看護ステーションとの連携支援」が最も多かった。今後実施予定の事業は、「在宅かかりつけ医と病院とのネットワーク構築」が最も多かった。重点を置いている事業、最も重点を置いている事業はいずれも、「医師会共同利用施設として介護保険施設を運営」が最も多かった。
  • 24時間体制の理想型として、在宅療養支援診療所に委ねるのではなく、後方支援病院との連携をとりながらかかりつけ医が行うことが望ましいという認識が、多くの医師会に共通していた。在宅医療を地域で育てていくためには、後方支援病院等や病床を有する有床診療所などとの連携といった、実現可能なやり方で、無理のない24時間体制を構築していくことが望まれる。

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