ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 239 2011-08-08

医薬品産業の2010年度決算

 

  • 先発医薬品メーカーの医薬品売上高は、武田薬品工業で1兆2,705億円、2位グループが第一三共、アステラス製薬で1兆円弱である。武田薬品工業も世界ではトップ10に入っていない。
  • 先発医薬品メーカーは、売上高上位の12社中7社で増収、6社で増益(経常利益)であった。売上高が減少した企業の中には、特定の一商品が大幅に売上高を落としているケースがあった。また、ほとんどの企業で、売上高経常利益率は10%以上であった。
  • 後発医薬品メーカーの医薬品売上高は、日医工644億円、沢井製薬639億円などである。分析を行なった売上高上位の企業はすべてで増収であり、各社の有価証券報告書で、2010年度の診療報酬改定において後発医薬品のさらなる使用促進が決定されたためと報告されている。
  • 医薬品卸大手4社は医薬品売上高1兆円以上である。大手4社すべて増収であったが、経常利益は4社すべてで減少し1%未満になった。
  • チェーン薬局・調剤薬局も、売上高上位のほとんどの企業で増収・増益であった。
  • 売上高経常利益率は、研究開発投資、設備投資がどの程度かにもよるが、先発医薬品メーカーではおおむね10%台〜20%台、後発医薬品メーカーでは、売上高経常利益率20%前後の企業と10%台以下の企業に二分されていた。

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