ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 249 2012-02-08

2011年 医師会病院の公的医療機関への位置づけに関する研究
〜 島根県益田市民を対象としたアンケート調査による
益田市医師会病院の公的医療機関への位置づけに関する検証 〜

 

  • 本研究は、医師会病院の機能・役割等を、既存の赤十字病院等公的医療機関と比較する等評価するとともに、島根県益田市において、市民からみた「益田市医師会病院」の評価・位置づけを「市民アンケート調査」によって明らかにする等して、医師会病院を「公的医療機関」として医療法上位置づけることを目的とした。
  • 平成19年度から平成21年度の3年間の、島根県からの医師会病院への交付金・補助金は6,961.6万円で、赤十字病院は9,331.9万円と2,370.3万円の差があり、また益田市からの交付金・補助金では、医師会病院の8,973.1万円に対し、赤十字病院は25,999.9万円と1億7千万円の差があった。
  • 益田市に在住する住民3,000人を対象とした市民アンケートの結果、市民は、制定後約60年経過した「公的医療機関」への「重点的な財政的及び人的支援の仕組み」を否定し、その指定対象は見直されるべきとの意見が大勢。
  • 県知事等が地域に貢献している医療機関を「公的医療機関」として国に指定してもらい、「医師会病院」は「公的医療機関」と同様に支援されるべきとの意見が市民の大勢。
  • 「医師会病院」を「公的医療機関」に指定し,産婦人科医師を確保できる環境を整えるべきとの意見が市民の大勢。
  • 今後の課題として、「医師会病院」を「公的医療機関」に指定してもらうことを要望している、他郡市医師会でも同様の「アンケート調査」を広く実施し、多くの国民が「医師会病院」を「公的医療機関」として認める意向であることを明らかにし、これを政策的エビデンスとして活用することが課題。
  • 「医師会病院」を「公的医療機関」に指定してもらうに際し、これまで未検討の公的医療機関の法的位置づけの方法とそれに伴って生じる課題の検討や公益法人改革や税制との関係等を明らかにしていくことが課題。

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