ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 277 2013-03-15

市町村別・診療科別医師数の現状 (2008 年・2010 年)

 

  • 本稿は、医師数について市町村別に集計・分析を行ったものである。今回の集計を行う過程でいくつかの示唆が得られ、いくつかの課題が浮かび上がった。
  • 分析以前の問題であるが、医師の異動をできるだけ丁寧に捕捉する仕組みが必要である。現在の「医師・歯科医師・薬剤師調査」では、他の市町村の医療機関から派遣されている非常勤医師しかいない場合、その市町村の医師数は0(ゼロ)になる。主な派遣先を記載するようにするなど、調査の見直しを求めたい。
  • 医師の過不足を表す指標として「人口1,000 人対医師数」が用いられることが多いが、人口増減との関係に注意する必要がある。地方では人口減少が進んでおり、医師が減少しても、それ以上に人口が減少して、人口1,000 人対医師数は増加するケースがある。しかし、人口1,000 人対医師数が増加したといっても、医師がきわめて少ない地域では絶対数の減少は大きな問題である。
  • 皮膚科、耳鼻いんこう科は、診療所医師の割合が高く、比較的医師の地域格差が小さかった。医師偏在の解消に参考になる要素もあると思われるので、今後も注視したい。
  • 内科(主たる)の医師が、小児科も診療しているというケースもある。診療科偏在と言っても、このように他の診療科の医師が診ることができる診療科か、産科・産婦人科のようにそれが困難な診療科かによって、必要医師数の考え方は変わってくると思われる。

  • 市町村別・診療科別医師数の現状 資料編

    目次
    市町村別 病院・診療所医師数(2008年・2010年) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
    市町村別 人口1,000人対病院・診療所医師数(2008年・2010年) ・・・・・・・30
    人口1,000人対診療科別病院・診療所医師数(2010年) 

    内科・循環器内科・消化器内科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
    精神科・外科・整形外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91
    皮膚科・眼科・耳鼻いんこう科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 123
    小児科・産科・産婦人科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155

    * 厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」および総務省「住民基本台帳に基づく人口、
    人口動態及び世帯数」から作成

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