ワーキングペーパー

ワーキングペーパーNo. 283 2013-05-24

民間第三分野保険における現物給付型保険と
高額療養費制度および先進医療について

 

  • 民間生保から、現物給付型保険の提案があるが、将来、民間第三分野保険で現物給付が認められれば、民間保険が現物給付である公的医療保険と競合する可能性がある。
  • 国民は公的医療保険とのバランスを踏まえて民間生保に加入していると思われるので、新商品が上市されても、過度に民間保険に依存することはないだろう。しかし、民間生保に加入できる高所得者層とそうでない層との格差が拡がること、ひいては公的医療保険が揺るがされることを完全には否定できない。
  • 日本では国民皆保険という土台の上に、公的医療保険と民間保険が共存してきたのではないだろうか。民間保険への過度の依存を抑止している仕組みが、高額療養費制度であり、保険外併用療養であると考える。これらの仕組みを維持、拡充する努力をつづけるとともに、国民にじゅうぶん周知し、理解してもらう必要がある。

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