リサーチレポート

リサーチレポートNo. 139 2024-09-03

「医師資格証(HPKI)」と「デジタル資格者証」について
~共通点と相違点を踏まえた両者の役割~

矢野 一博

 

【要旨】

・ デジタル庁が「国家資格のオンライン・デジタル化」を開始し、マイナポータルを通じて各種の国家資格に係る手続きをオンラインで  できるようにすると発表した。医師に関しては2024年11月頃開始予定とされている
・ 提供機能の一つに、スマートホンなどで表示することができる「デジタル資格者証」がある
・ このため「デジタル資格者証」を使えば、「医師資格証」は不要なのではないかという声が聞かれる
・ 「医師資格証」と「デジタル資格者証」は、医師資格を提示する点は共通であるが、「医師資格証」は電子署名ができ、「デジタル資格者証」はできないなど、その役割や機能は異なる
・ 特に医療DXにおける活用に関して、「デジタル資格者証」では医療データの真正性担保などの信頼性の確保はできないことから、「デジタル資格者証」が「医師資格証」に代替することはない
・ マイナンバーカード(JPKI)の電子署名を使えば、真正性の担保は可能だが、本人の住民票住所が任意の第三者に開示される
・ それらの違いを十分に認識の上、両者の関係性を正確に理解して、混同や誤解しないようにして利用しなくてはならない

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