リサーチレポート
リサーチレポートNo. 121 2021-12-06
医療分野におけるサイバー保険について
サイバー保険(付帯・関連サービス含む)が医療機関の実態とニーズに合致し、医療機関のサイバーセキュリティに役立つ方策となり得るかを把握・評価するため、損害保険主要3社について関連書類の分析に加え、インタビュー調査を実施した。結果は以下の通りであった。
- サイバー保険および付帯・関連サービスは、医療機関のサイバーセキュリティ対策に関するニーズを一定程度満たす枠組みと評価できる。
- これらを医療機関に対して周知し活用することは、有効なサイバーセキュリティ対策になる可能性がある。保険業界は医療界のニーズに応える機能の提供者として、今後とも有望な候補の一つと言える。
- 他方で同保険には以下のとおり改善すべき課題がある。
- 厚生労働省「医療情報システムの安全管理ガイドライン(5.1版)」を踏まえたサイバー保険(付帯・関連サービス含む)の組み立て。
- 医療機関にとって魅力ある補償金額および保険料水準の保険設計の実現。
- 緊急時対応窓口サービスの拡充。
- 各種コンサルティングサービス等における医療機関の独自性を踏まえたノウハウの向上。