リサーチレポート
リサーチレポートNo. 116 2021-10-26
国・公的医療機関の2020年度決算(その1)
-国立病院・労災病院・JCHO-
- 国(厚生労働省)が所管する国立病院機構、労働者健康安全機構、地域医療機能推進機構(JCHO)の現状について、2020年度決算を中心に概観する。
- 国立病院は税金、労災病院は労災保険料、JCHOは年金保険料および健康保険料を財源とする政府出資金により設置されてきた病院である。
- 国立病院、労災病院、JCHOは、それぞれ国民、労働者、地域住民に対する医療の提供を本務としつつ、法律により緊急事態にあっては厚生労働大臣が求める措置に応じなければならないことになっている。
- 2020年度決算は、各法人とも、医業収入の減少を新型コロナウイルス感染症対応の補助金が補って当期純利益が黒字になった。当期純利益は利益剰余金として積み増しされ、主に現預金や有価証券が積み増し、買い増しされた。
- 給与費については、2020年度は、新型コロナウイルス感染症医療を提供する医療機関等で患者と接する医療従事者個人に対し慰労金(最大20万円)が交付されたものの、各法人の給与費水準は据え置きあるいは引き下げであった。
- 本稿では2020年度決算を中心に分析を行なったが、新型コロナウイルス感染症の影響は2021年度にも及んでいることから、2021年度以降の決算も踏まえて検討を深めたい。
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