リサーチレポート

リサーチレポートNo. 115 2021-10-19

生活習慣病等の診療報酬上の評価について

前田 由美子

 

 

  1. 生活習慣病を中心に、かかりつけ医機能等を評価する診療報酬が導入されてきたが、診療報酬に包括払いを導入するための方便とされているかのようであり、評価すべき機能についての本質的な議論は必ずしも十分ではなかったと思われる。本稿では、あるべき評価に向かうための足掛かりとなることを期待して、関連する診療報酬のこれまでを振り返る。
  2. 「外総診」、「生活習慣病管理料」等は、財源に翻弄されてきた。診療報酬改定率が右肩下がりの時に包括払いで導入され、たちまち梯子を外されたものもあった。
  3. 財務省は出来高の「地域包括診療加算」ではなく、包括の「地域包括診療料」の拡大に執着しており、今後も包括払いを拡大しようとすることは必至である。しかし、かかりつけ医機能については、その評価を医療費抑制の手段とするのではなく、腰を据えて機能に見合った評価に進化させていくべきと考える。

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