リサーチレポート

リサーチレポートNo. 110 2021-08-31

大手調剤薬局等の2020年度決算

 

  1. 大手調剤薬局等の2020年度は、新型コロナウイルス感染症による受診控えの影響で処方箋枚数が減少したものの、処方箋単価の上昇が売上高を一定程度カバーした。
  2. 大手調剤薬局等は、ドラッグストアを中心に新規出店やM&Aによって店舗数を拡大しており、敷地内薬局を進めているところもある。
  3. 調剤市場はドラッグストアが席捲している。ドラッグストアはいわゆる面薬局で、1店舗当たりの調剤関連売上高も小さく、調剤受付回数等を要件とする調剤基本料の制約を受けない。調剤大手も、調剤基本料1を算定するため面分業を意識しており、後発医薬品体制加算、地域支援体制加算も着実に算定されている。すなわち、調剤受付回数や処方箋集中率を要件とする手法は限界にきているのではないかと考えられる。
  4. 機器の導入、デジタル化、人員の適正配置などによって業務の効率化が進められており、収益性が向上あるいは維持されている。今後さらに効率化が進む可能性もあるのではないかと推察される。

ダウンロード  (約 478 KB)