リサーチエッセイ

地域医療支援病院は本来の目的にそって承認されているか

前田 由美子

地域の診療所などを後方支援する目的で創設された地域医療支援病院。承認病院は当初、医師会立病院中心であったが、最近、国公立病院の進出が目立っている。この中には「紹介率80％」（承認当初は60％でもよいため）の要件をクリアしていないところも多く、補助金の削減や独立行政法人への移行を睨んで診療報酬上の評価が手厚い地域医療支援病院制度を利用している可能性がある。本来の目的に沿った制度運営を行うためにも、規定どおりの紹介率を達成できない場合は承認を取り消すなどの見直しが必要なのではないか。