リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 51 2009-01-29

筋道が通らなくなってきた社会保障年2,200億円の削減

 

社会保障費は、自然増に対し毎年2,200億円(国庫負担ベース)の機械的削減を強いられている。
『基本方針2006』に、それまでの過去5年間と同様、今後5年間も社会保障費を1.1兆円削減するとされたためである。基本方針には「機械的に5年間均等に歳出削減を行うことを想定したものではない」と明記されているが、財務省は毎年、予算の概算要求基準(シーリング)で、機械的に年2,200億円削減することを求めてきた。
2009年度予算では、社会保障費2,200億円のため、道路特定財源、特別保健福祉事業資金など、経常的な社会保障費以外からの財源が充当された。2008年4月介護報酬が引き上げられるが、この財源は、社会保障費2,200億円の削減とは別枠である。
社会保障費の削減は手段を問わないものになっており、論理破綻を来たしている。財務省は足下の厳しい環境をきちんと認識して、今後の社会保障費の機会的削減を取り下げるべきである。

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