リサーチエッセイ

リサーチエッセイNo. 55 2009-12-17

医療関連データの国際比較 −「OECD Health Data 2009」より−

 

  • 日本では、「基本方針2001」以降、少なくとも2009年まで、日本では医療費が低いにもかかわらず、医療費を抑制するという矛盾した政策がとられてきた。財務当局が医療に関する国際比較データを意図的、かつ部分的に使用してきたことも一因ではないか。
  • そこで、今回、「OECD Health Data」の情報を網羅的、経年的にグラフ化して示してみることにした。
  • その結果、日本では、第一に、日本では、いつでも、どこでも受診できること、第二に、その結果、疾病が早期に発見されている可能性があること、第三に退院時の治癒率が高くなっている可能性があること、などが示唆された。
  • 病床数や医療機器保有数の多さは、しばしば医療費高騰の要因として問題視される。しかし、日本の医療費は諸外国と比べて「低い」。病床数の多さなどは、むしろ肯定的要因としてとらえても良いと考えられる。
  • また、これまで、財政制度等審議会は、日本の病床数の多さ、平均在院日数の長さをばかりを取り上げてきたが、重要なのは、病床数の多さや平均在院日数の長さをもたらす要因、たとえば疾病構造の違いであることも浮びあがった。

※26ページに誤りがありました。ここに修正し、お詫び申し上げます。お手数ですが、差し替えをお願いします。

なお、「OECD Health Data 2010」の分析結果を公表いたしましたので、あわせてご参照下さい(2010年9月24日)。

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